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インフルエンザ

​風邪

インフルエンザには気をつけましょう!!風邪との違いが重要です。

ウイルスによる急性上気道炎を総称して『風邪』と呼んでいます。インフルエンザもまたインフルエンザウイルスによる感染症なので大きくいえば風邪とも言えるのですが、次の2点で大きく異なります。

①感染力が強い

②ワクチンや抗ウイルス薬での予防や効果的な治療が可能

一つずつ説明しましょう。

 

インフルエンザについて
 
感染力が強い

インフルエンザは一般の風邪よりも感染力がずっと強く、ツバなどの飛沫感染、接触による感染で一気に広まる可能性があり、学校や幼稚園の学級閉鎖や家庭内感染により社会生活に支障が出る可能性があります。学校ではインフルエンザになった場合、ある一定の期間登校ができなくなります。会社では明確な決まりはありませんが出勤を制限されることがほとんどです。なので、インフルエンザにならないようにすること、インフルエンザになった時は周りに感染させないように行動して素早く治療して治すことが大切です。

予防接種、検査、抗ウイルス薬での予防や効果的な治療が可能であること

インフルエンザには予防接種(ワクチン)によって予防できたり症状の緩和をはかることができます。インフルエンザの型が変わるため毎年予防接種を受けることが必要ですが、予防できるのは大きな強みです。

またインフルエンザは迅速検査といって鼻から綿棒を入れて拭き取った液からインフルエンザかどうか、またA型なのかB型なのかがわかります。そのことによりインフルエンザと確定診断ができた上で速やかな治療ができるのです。

そして何よりも、風邪と違ってインフルエンザにはインフルエンザ専用の治療薬があることです。感染力が強く、一気に広がってしまうインフルエンザを早くとらえて早く治療をして治していけることが可能になったのです。

一つ注意点ですが、厳密にいうと、抗インフルエンザ薬はインフルエンザウイルスを退治する(治す)のではないのです。インフルエンザが増えるのをおさえる薬です。なので、増えきってしまう前の48時間以内に使わないと効果的ではなくなってしまいます。

抗インフルエンザ薬でインフルエンザの増殖を抑えて、今いるインフルエンザウイルスは自分の免疫力で退治することで治すのです。 ということは早く治るためには「自分の免疫力(抵抗力) + 抗インフルエンザ薬」両方がそろうことがとても大切になります。どちらか一つでも弱いと治るのに時間がかかってしまうことになります。逆に言えば、重症化しなければ、時間をかければ自分の免疫力だけでもほとんど治ってしまうとも言えます。

風邪とインフルエンザの症状の違いについて知りましょう。

普通の風邪の症状は、のどの痛み、鼻汁、くしゃみや咳(せき)などが中心です。風邪になると炎症性サイトカインという体内物質が出るために頭痛を起こしたり、胃酸を増やして嘔吐や胃部不快感を起こすこともあります。

一般に風邪に対する特効薬というものはありません。それぞれ症状に対して状態をやわらげる薬の組み合わせを処方をするわけです。ただし、気をつけなければいけないことは、風邪の初期にあまり無理して平熱まで熱を下げないということです。

37.5度程度の体温があったほうが、免疫が誘導されて結果的には風邪を早く治すことにつながります。

 

比べて、インフルエンザの症状の特徴は「かぜとちがって急に高い熱が出て、頭痛や筋肉痛やふしぶしに痛みが出てくるのがインフルエンザ」インフルエンザの場合は風邪よりも急に38度以上の発熱を引き起こし、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身の症状が強く、さらに風邪と同じ症状である、のどの痛み、鼻汁、咳なども見られます。さらに、気管支炎、肺炎、小児では中耳炎、熱性けいれんなどを併発し、重症化することがあるのもインフルエンザの特徴です。ただ、必ずしも38度以上の熱が出るとも限らないのがインフルエンザです、またすでに市販の解熱剤を飲んでしまってよく分からなくなってしまうケースもあります。なので気になったら必ずクリニックに受診してください。

 

また、風邪は通年を通じてかかる可能性がありますが、インフルエンザには流行時期があります。一般的には、インフルエンザA型(1月下旬から2月上旬)が流行ってから、B型(2月中旬から下旬)が流行ります。A型は症状が重く、B型は比較的軽いことが多いです。注意するべき点はA型もB型も両方とも注意しなくてはいけないということです。ということは、連続でかかってしまう場合や家族でももしかしたら違う型のインフルエンザかもしれない場合があります。とにかく油断ができないのがインフルエンザです。

インフルエンザとかぜの違い 
インフルエンザは予防接種を受けること、かかってからでは遅いのです。​

インフルエンザに対するワクチンは、個人差はありますが、その効果が現れるまでに通常約2週間程度かかり、約5ヶ月間その効果が持続するとされています。

インフルエンザの流行は12月下旬から3月上旬が中心なので、12月上旬までには接種を済ませることをオススメします。13歳以下の場合は2回接種が基本です、2回目は1回目から1~4週間空けて接種しますので、1回目をさらに早めに接種しましょう。

インフルエンザ検査で早めに治療、でも検査をするタイミングが大切です。

迅速診断キットによる検査です。細い綿棒のようなもので、のどの奥や鼻の奥をこすり、そこについた組織や分泌物を処理液に浸して検査キットに滴下することで、陽性か陰性かの判定を行うものです。

検査時間は10~15分と非常に短く、また、患者さんにとっては、のどの奥や鼻の奥をこするときの痛みがありますが、非常に簡単で行いやすい検査です。

しかし一方で、インフルエンザウイルスの量がある一定以上に達していないと陽性と判定されにくい、という欠点があります。

インフルエンザに感染後、インフルエンザウイルスが体内で増殖すると発熱します、発熱後12時間経過してこの検査を行わないと、陰性という結果が出てしまうことがほとんどです。

つまり夜に気分が悪くなって発熱したら翌日朝に、朝に発熱したら夕方にクリニックに受診して検査を受けましょう!

反対に、発症から3日以上経過してしまうと、ウイルス量が徐々に減少しはじめ、キットに反応しなくなってしまう可能性があります。

抗インフルエンザ薬は、インフルエンザに罹患後48時間以内に服用しないと効果が期待できません。タイミングを考えるのは難しいですが急な発熱や、筋肉痛などの重い全身症状が出たら、まずはクリニックは早期に受診するようにしましょう。

インフルエンザの治療薬について

インフルエンザウイルスの増殖を阻害するA、B型の両方に効く抗インフルエンザウイルス薬があります。「内服薬」、「吸入薬」、「点滴」がありますが内服薬、吸入薬が主になります。

これらの薬は、体内でのインフルエンザウイルスの増殖を抑えることにより、病気がよくなるまでの期間の短縮と、症状の重さを軽減する効果があります。

ただし、治療効果をあげるためには症状が出てからなるべく早く使用する事が大切です。インフルエンザウイルスは体の中で急激に増殖する特徴があり、早期であればあるほど、体の中にかかえるウイルスの量が少ないので治療効果があがります。

インフルエンザにかかりにくくする方法、かかった後にした方が良いこと​

①流行期には人ごみを避ける

インフルエンザの流行のニュースが流れたら何か基礎疾患のある方、妊婦、疲労気味、睡眠不足の方は、人混みや繁華街への外出を控えましょう。やむを得ず外出して人混みに入るでも、その時間は極力短くしてマスクをしましょう。

②口の中の湿度を保ちましょう。

外出後はうがいをしましょう。うがいはのどの乾燥を防ぎ、湿気によってインフルエンザウイルスの増殖を防ぎます。外出中は、水を頻回に飲んだり、のど飴をなめるのも非常に効果的です。

③外出後は手洗いをする

流水・石鹸による手洗いは手指など体についたインフルエンザウイルスを物理的に除去するために有効な方法であり、インフルエンザに限らず接触や飛沫感染などを感染経路とする感染症の対策の基本です。

④栄養と休養を十分とる

体の抵抗力を高めて免疫を保つために、十分な睡眠とバランスのとれた栄養摂取を心がけましょう。眠れない時も体を横にしてください。血流が30%増し、休養が効率的に取れます。

⑤室内の湿度を保つ

空気が乾燥すると気道粘膜の防御機能が低下し、ウイルスも増殖しやすくなるのでインフルエンザにかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って適切な湿度(50~60%)を保つことも効果的です。

⑥マスクを着用する

口の中の湿気を保つと同時に、インフルエンザになった場合に咳やくしゃみの飛沫により他の人への感染を防ぐ効果もあります。

インフルエンザよくある質問

1.予防接種を受けたのでインフルエンザにはかからないのでしょうか?

流行した型が違う場合など、100%かからない訳では決してありません。だだし、予防接種受けることでインフルエンザにかかりにくくなり、かかっても重くならずに済みます。もちろん重くならないとも限りません。

2.インフルエンザにかかった時、出校はいつから可能ですか?

インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H5N1)を除く)は第2種学校感染症に指定されており、出席停止の期間は「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」となっています。

3.インフルエンザにかかった時、出社はいつから可能ですか?

出社に関しては一定のきまりはありません。しかし、インフルエンザにかかった後は体力が落ちていることもあるので、無理せず十分に回復してから出社するようにしましょう。周囲への影響を考えると登校の条件と同じように考えましょう。

インフルエンザの重篤な合併症について

インフルエンザの合併症は様々で、中には死に至る重篤な合併症もあります。そのうち頻度の多いのは中耳炎、気管支炎、肺炎などです。特に肺炎は高齢者や基礎疾患をお持ちの方にとって命取りになることもあり注意が必要です。また最近、深刻な問題になっているのは、小さなお子さんの脳炎・脳症です。その年によって異なりますが、幼児を中心として毎年100~500人が発症します。その10~30%が死亡し、ほぼ同数の後遺症患者が出ていると推測されています。脳炎・脳症は、突然の高熱に始まり1~2日以内にうとうとした眠り(傾眠状態り)から意識混濁した深い眠りに至る、さまざまな程度の意識障害を呈します。また、多くの場合痙攣(けいれん)を伴います。短期間のうちに死亡することの多い重篤な合併症です。処方薬が残っていても、心配になったらとにかくクリニックに受診してください。

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